間質性膀胱炎②(症状)

間質性膀胱炎の症状とは?

間質性膀胱炎の症状について
それは膀胱の知覚過敏症状「過知覚膀胱」の一種です。

症 状

間質性膀胱炎の症状は膀胱の痛みが特徴的と言われていますが、
痛みがない患者さんもいます。

下腹部の不快感や圧迫感のような症状のこともあります。

頻尿はほとんどの患者さんに認められる症状です。

間質性膀胱炎の症状は膀胱の知覚過敏状態、「過知覚膀胱症状」と
捉えると納得しやすいかもしれません。

それでは総論から引き続き、間質性膀胱炎の症状についてくわしく解説します。

南里泌尿器科医院で診断、治療を受けている間質性膀胱炎の患者さんの代表的な
症状をまとめると、

1)とにかくトイレが近い。30分~1時間ごとにトイレに行く。
2)おしっこが貯まると膀胱が痛くなる、違和感が強くなる。排尿すると楽になる。
3)トイレに行ってもいつも残尿感がある。
4)尿が貯まると陰部が痛くなる。
5)抗生物質を飲んでも頻尿や排尿時の痛みが全く良くならない。
6)過活動膀胱の治療薬を飲んでいるけどまったく頻尿が良くならない。

などです。

2007年に日本国内で発刊された「間質性膀胱炎診療ガイドライン」1)には、間質性膀胱炎を
「膀胱の非特異的な慢性炎症を伴い、頻尿・尿意亢進・尿意切迫感・膀胱痛などの症状を呈する疾患」
としていますが、何が特徴的な症状か、必須の症状は何かなどについては記載されていません。

一方、アメリカやヨーロッパでは間質性膀胱炎を「膀胱痛症候群」や「慢性骨盤痛症候群」という
「痛み(pain)」をキーワードにした概念に入れ込んでいます。でも実際は痛みがない間質性膀胱炎の
患者さんもいるので日本やアジアの専門家はこの考え方に完全には同意していません。

ちなみに、
南里泌尿器科医院で2013年までにまとめた82例
の間質性膀胱炎の患者さんで調査をすると
痛みの症状があった患者さんが57%に対して、
痛みの症状が無かった患者さんは43%でした2)

 

 

 

当院で診断を受けた患者さんのほぼ全員に頻尿の症状がありました。ただし、間質性膀胱炎の患者さん
の中には頻尿になることが嫌で極端な水分制限をして排尿回数を減らしている人もいるので例外もあります。

「過活動膀胱」の患者さんは「尿意切迫感(急におしっこがしたくなって我慢することが辛い)」
のために頻尿になります。しかし間質性膀胱炎の患者さんは膀胱が過敏になっているので、尿が少し
貯まっただけで強い尿意や不快感、痛みが出てきます。そのために頻尿になってしまいます。
症状が少し重なるところもあるので、「過活動膀胱」と間違って診断されてしまうこともあります。

このように間質性膀胱炎の症状は多彩でありますが、その本体は膀胱の知覚過敏状態(膀胱が敏感に
なっている)です。そこで国内の専門家の中で「過知覚膀胱」という概念3)をつくり、間質性膀胱炎は
「過知覚膀胱」のひとつだと整理することにしています。

いろいろややこしくなりましたが、
頻尿や膀胱の痛み、違和感などの膀胱の「過知覚膀胱症状」が存在し、普通の細菌性膀胱炎や過活動膀胱の治療で良くならないような症状が続くとき、間質性膀胱炎を疑うことが大切というわけです。

参考資料
1)日本間質性膀胱炎研究会ガイドライン作成委員会編:間質性膀胱炎診療ガイドライン.ブラックウェルパブリッシング,
東京,2007.

2)南里正晴,南里正之,南里和成:一診療所における間質性膀胱炎の臨床的検討.日泌会誌,105,2014.
3)Homma,Y. : Hypersensitive bladder: a solution to confused terminology and ignorance concerning interstitial cystitis.
Int.J.Urol.,21, 2014.

文章とイラスト 院長 南里正晴

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