「間質性膀胱炎・膀胱痛症候群」について

間質性膀胱炎(かんしつせいぼうこうえん)について

膀胱周辺の痛みや圧迫感、不快感が続く。
ひどい頻尿が続く。
このような症状があり、他の病気、たとえば過活動膀胱や細菌性膀胱炎、膀胱がんや膀胱結石ではない場合、
それは「間質性膀胱炎・膀胱痛症候群」かもしれません。

つまり、抗菌剤(抗生物質)を飲んでも膀胱炎症状が良くならない。
おしっこを調べても異常がない。
過活動膀胱の治療薬を内服しても頻尿が良くならない。
いろいろな病院で原因を調べてもらっても明らかな異常が見つからない。
このような場合、「間質性膀胱炎・膀胱痛症候群」を疑う必要があります。

この病気が考えられた場合、次に必要な検査が「膀胱鏡検査」です。
「膀胱鏡検査」とは尿道から内視鏡を挿入して膀胱内を観察する検査のことです。

「膀胱鏡検査」で、膀胱の内側に「ハンナ病変」という名前の「細い血管がもつれた糸のように見える
赤い網目状の病変」が認められたら「間質性膀胱炎(ハンナ型)」と診断されます。
一方で「ハンナ病変」が見つからなければ「膀胱痛症候群」と診断されます。

「間質性膀胱炎(ハンナ型)」の一部(重症型)は国が指定する「難病」に該当します。

最近の研究では「間質性膀胱炎(ハンナ型)」と「膀胱痛症候群」は全く別の病態をもつ、別の病気では
ないかと考えられています。

治療方針もこの二つは分けて考えるべきだという意見もあります。

だから「膀胱鏡検査」を受けることがとても大切になります。

残念なことに、「間質性膀胱炎・膀胱痛症候群」には特効薬がありません。

しかし、有効な治療方法はいくつかあります。

まず、生活上の注意点です。

最も大切なことが「食事療法」です。
患者さんの約9割が、ある特定の飲食物で症状が悪化することが知られています。

代表的なものが「柑橘類(グレープフルーツなど)」、「アルコール類」、「コーヒー」
「香辛料」、「トマト」などです。

ただし、重要なことは、症状悪化の食品には個人差が大きいので、これらがすべての患者さん
にとって悪いわけではありません。

症状に波がある場合、症状が悪化した数時間前に何を食べたか、何を飲んだか記録しておく
こと。そして、いつも症状悪化に関係しそうな食品があればそれを避けることが大切です。

「間質性膀胱炎・膀胱痛症候群」の患者さんは、頻尿や膀胱の不快感を避けるために水分を
控えがちです。しかし、これは逆効果になると言われています。
水分を制限せず、少し多めにとることで尿が薄まると膀胱に対する刺激が軽くなり症状緩和に
つながる可能性があります。
また症状悪化の引き金になる便秘や普通の膀胱炎(細菌性膀胱炎)の予防にもなります。

ストレスも症状を悪化させることが知られています。

ストレスの緩和が重要ですが、なかなか難しいことだと思います。
しかし「敵」を知れば対策を考えることができるので、「間質性膀胱炎・膀胱痛症候群」が
どんな病気であるかをよく知ることが大切です。
「敵」の正体がわかれば、少しは気が楽になると思います。

「間質性膀胱炎(ハンナ型)」の場合は、手術療法で症状がずいぶん緩和されることが
あります。一般的には入院が必要ですが、麻酔を行い内視鏡を使って「ハンナ病変」を
電気で焼きつぶしたり切除したりする方法です。

他にも治療方法はいろいろありますが、まだ世界標準と言えるような治療方法はありません。
患者さんひとり一人に応じた治療方法を主治医と一緒に考えながら行っていく必要がある、
そんな病気なのです。

(文責:院長 南里正晴)

Follow me!