准看護師資格試験解説④

泌尿器科各論④です。
ここも適宜更新していきます。
とりあえずの暫定版です。
試験対策にどうぞご利用ください。

1)膀胱腫瘍について

1.多くは良性腫瘍である。
×:ほとんどが悪性腫瘍(癌)です。

2.症状としては無症候性血尿がある。
〇:キーワードは「無症候性の肉眼的血尿」です。

3.膀胱鏡検査では発見が困難である。
×:膀胱鏡で膀胱内に異常が無いか確認し診断します。

4.悪性腫瘍であれば膀胱全摘術が必要である。
×:筋層浸潤性膀胱がんであれば膀胱全摘になることがあります。筋層非浸潤性膀胱癌の場合は経尿道的膀胱腫瘍切除術という内視鏡手術で治療。

5.回腸導管造設術は、膀胱全摘時に行われる。
〇:その通りです。

6.非浸潤性膀胱がん(表在がん)の再発予防にBCGなどの膀胱内注入療法を行う。
〇:その通り。BCGは弱毒化したウシ由来の結核菌です。免疫反応を利用した治療です。

7.筋層浸潤性膀胱がんでは、膀胱全摘術が選択されることが多い。
〇:その通り

8.進行がんや転移がんでは、抗男性ホルモン療法が行なわれる。
×:これは前立腺癌の治療方法です。

9.経尿道的切除術後に、BCG膀胱内注入が行われる。
〇:BCGは筋層非浸潤性膀胱癌の治療方法なので、経尿道的膀胱腫瘍切除術後の治療方法になります。

10.膀胱刺激症状として、尿糖の観察を行う。
×:尿糖とは関係ない。「膀胱刺激症状」とは頻尿や排尿時痛などの膀胱の炎症や結石、癌などで生じる症状です。尿の観察をするなら血尿の有無。

11.尿路変向術後は、骨盤底筋運動を指導する。
×:「骨盤底筋運動」が必要なのは前立腺癌に対する前立腺全摘後です。

12.膀胱全摘出術のときは尿路変向術が行なわれる。
〇:その通り。

13.筋層非浸潤性膀胱がんの術後、再発予防のためBCGや抗がん薬を膀胱内に注入する。
〇:「筋層非浸潤性膀胱がん」の「再発予防」に「BCG(ウシ型結核菌)や抗がん剤」の膀胱内注入療法というセットで覚えましょう。

14.膀胱腫瘍はほとんどが悪性腫瘍(がん)である。
〇:その通り。

2)尿失禁について

1.尿もれシート(尿もれパッド)を使用するように勧める。
〇:出題者の趣旨がよく分からないけど正解。たぶん「生理用ナプキンではダメですよ!」ということだと思います。
  生理用ナプキンを使用している患者さんがいますが、血液の吸収はいいのですが尿は吸収できません。

2.いつ失禁がおこるかわからないので、排尿の状況は把握しなくてもよいと説明する。
×:

3.骨盤底筋訓練は、人目につきやすいので、無理して行わないように指導する。
×:主に腹圧性尿失禁の治療。着衣のまま、座ったままでの立ったままでもできます。肛門や腟を締める運動。継続が大切。

4.排尿をなるべく我慢するように指導する。
△:膀胱訓練として我慢するように指導することもあります。ケースバイケースなのでこのような問題が出た時は他の選択肢と合わせて考慮する。

5.腹圧性尿失禁とは、強い尿意のために間に合わないことをいう。
×:これは大切な問題。腹圧性尿失禁とは咳やくしゃみなど急に強い腹圧がかかった時に失禁する病態を指します。

6.切迫性尿失禁とは、下部尿路閉塞などにより尿閉となり、尿が漏れ出ることをいう。
×:切迫性尿失禁とは「急に、抑えきれない強い尿意が起こって尿が漏れる」こと。尿閉で尿があふれ出るのは溢流(いつりゅう)性尿失禁です。

3)前立腺肥大症について

1.前立腺肥大症には、経尿道的前立腺切除術が行われる。
〇:ただし、近年は薬物療法の進歩で手術件数は激減しています。さらに低侵襲(患者さんへの負担がすくない)レーザーを使った蒸散術が増加。

2.前立腺肥大症は、排尿障害が生じる。
〇:排尿障害とは「尿が出にく」とか「排尿が途切れる」などの症状のこと。畜尿症状は「トイレが近い」とか「尿が漏れる」などの症状。これも前立腺肥大症の症状なので要注意。

4)経尿道的前立腺切除術を受ける患者の看護について

1.前立腺がんに対する治療法である。
×:前立腺肥大症の治療法です。

2.血尿は、手術直後からみられなくなる。
×:しばらく続きます。尿道留置カテーテルが術後は入っているので血塊がつまったりしないか観察が大切になります。

3.術後、尿閉時は導尿を実施する。
〇:

4.退院後は長時間の立位は避けるよう説明する。
×:ここは「長時間の座位は避ける」で覚えておきましょう。

5.腹部の張りの有無を観察する。
〇:これはカテーテルがつまると尿が出なくなり腹部が張ってくるからです。

6.アルコールは控えるように伝える。
〇:アルコールを摂取すると血流が良くなって出血しやすくなるから。

7.退院後はなるべく座位を保つように説明する。
×:座位を避けるですね。

8.尿道留置カテーテル抜去後は頻尿になりやすいと説明する。
〇:前立腺を切除したあとの傷口に尿が流れ込むと刺激になるので頻尿になることがあります。

9.尿路感染予防に努める。
〇:

10.血尿の状態を観察する。
〇:

11.尿道カテーテル留置による尿道痛はがまんするように説明する。
×:痛みを我慢すると血圧が上がって出血しやすくなります。適宜、痛み止めを使って対応します。

12.骨盤底筋運動の指導を行う。
×:通常骨盤底筋運動の指導が必要になるのは、前立腺癌に対する前立腺全摘術後です。

5)前立腺がんについて

1.前立腺がんの腫瘍マーカーとして前立腺特異抗原(PSA)が重要である。
〇:ここは頻出。絶対に覚えましょう。

2.転移がみられる前立腺がんでは、前立腺全摘術が選択されることが多い。
×:前立腺全摘術は転移がない前立腺癌の治療方法です。転移がある場合はホルモン療法になります。

3.前立腺がんでは、血清の前立腺特異抗原(PSA)が低値となる。
×:高値になります。

6)その他

1.停留精巣(停留睾丸)は、不妊の原因になる。
〇:不妊や癌化の原因になります。2歳ぐらいまでに下降してこなければ手術の対象になります。

2.精巣腫瘍には、両側精巣摘除術(去勢術)が行われる。
×:腫瘍ができているほうだけ。去勢術とは前立腺癌の治療方法です。精巣を摘出することで男性ホルモンが出ないようにする治療です。

3.精巣腫瘍の大部分は、非胚細胞腫瘍である。
×: 胚細胞腫瘍とは、生殖器(精巣・卵巣)と体の中心線に沿った部分、胸の中(縦隔)、お腹の中(後腹膜、仙骨部)、脳(松果体、神経下垂体部)などに発生する悪性腫瘍のこと。 精巣腫瘍の大部分は胚細胞腫瘍で稀に悪性リンパ腫のような非胚細胞腫瘍もできる。

4.神経因性膀胱は精神的な要因によっておこる。
×:脳神経、脊髄神経、末梢神経などの神経に原因がある膀胱機能障害のことです。

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