当院で行っている専門的な治療①
前立腺肥大症に対する低侵襲手術 ①CVPについて
南里泌尿器科医院では前立腺肥大症でお困りの患者さんに対していろいろな手術療法を行っています。今回はそのひとつのCVP(Contact Vaporization of the Prostate)についてご紹介します。
CVPとは接触式レーザー前立腺蒸散術のことで前立腺肥大症に対する最新の治療方法のひとつです。
従来の経尿道的前立腺切除術(TURP)と比較して、より安全で回復が早いことが特徴です。
CVPの特徴
✅ 低侵襲な手術 – 尿道から内視鏡を挿入し、高周波エネルギーを用いて前立腺組織を蒸散・凝固させるため、出血が少なく安全性が高い。
✅ 短い手術時間 – 通常、手術時間は60~90分程度。
(前立腺の大きさや形状で手術時間は異なります)
✅ 入院期間の短縮 – 多くの場合、手術前後、土日を挟んで5泊6日程度の入院で済むため、社会復帰が早い。
✅ カテーテル留置期間の短縮 – 術後のカテーテル使用期間が短く、患者さんの負担が少ない。(通常手術の翌々日に抜いています。)
CVPはどのような患者さんにおすすめか?
日常生活に支障が出るほどの排尿障害がある患者さん
薬物療法では改善しない患者さん
高齢や合併症などで従来の手術に不安がある患者さん
できるだけ早く社会復帰をしたい患者さん
南里泌尿器科医院でのCVP手術の流れと特徴
1)診察・検査:
・触診やエコー、膀胱鏡で前立腺のサイズや形状を評価
・PSA(前立腺特異抗原)などを利用して前立腺がんの可能性が無いかの確認
・尿流量測定検査で排尿状態の確認
・尿流動体検査(プレッシャーフロースタディ)を行い膀胱機能の評価※
※とくに当院では手術前に尿流動体検査を行い排尿障害の原因が前立腺だけなのか、膀胱機能に問題はないかを可能な限り正確に評価するようにしています。
このことで手術後に排尿状態が本当に改善するのか十分に検討を行ったうえで手術を行うか決めています。
2)手術日の決定
通常、当院では水曜日入院、木曜日の午後手術となっています。
患者さんのスケジュールに合わせて日程調整を行います。
3)手術当日
麻酔は佐賀大学麻酔科医の非常勤医師が行います。
手術は院長もしくは副院長が行います。また必ず院長と副院長の二人が手術室に入り、術者ではないほうが手術モニターを見ながら気づいたことがあれば声をかけあいながらより安全で正確な手術ができるように最善の注意を払っています。
4)術後ケア
手術後、翌々日の土曜日に尿道カテーテルを抜きます。
週末は院内で過ごして頂き、排尿状態を確認し問題が無ければ月曜日に退院するというスケジュールです。