当院で行っている専門的な治療⑥
難治性過活動膀胱に対するボツリヌス療法について
当院では通常の薬物療法や や生活指導で十分な改善が見られない「難治性過活動膀胱」に対して、ボツリヌス(ボツリヌストキシン)療法を導入しています。
1.過活動膀胱とは?
急に強い尿意を感じてトイレに駆け込む「尿意切迫感」や、頻繁な排尿、夜間の頻尿、時に尿漏れを伴う状態を指します。薬物治療やリハビリ(行動療法)を少なくとも12週間以上行っても症状が改善しない場合、「難治性過活動膀胱」と診断されます。
2.ボツリヌス療法(ボトックス)とは?
ボツリヌス療法は、膀胱の壁に薬を直接注射することで、過剰な筋収縮を抑え、膀胱をリラックスさせます。これにより、尿意のコントロールがしやすくなり、頻尿や尿漏れの症状が改善することが期待できます。
3.治療の流れについて
1)症状やこれまでの治療経過を確認し、ボツリヌス療法がふさわしいか判断します。事前に膀胱機能検査や膀胱鏡を行う場合もあります。
2)治療は膀胱鏡(内視鏡)を用いて膀胱の壁に20カ所ほど薬液を直接注射します。(麻酔は局部的な麻酔を用います)
基本的には1泊入院を推奨していますが日帰りも可能です。
所要時間は約10~20分程度です。
3)効果は施術後2~3日後から現れ、4~8か月持続するとされています。
効果が薄れた場合は再治療も可能です。