当院で行っている専門的な治療④
間質性膀胱炎の患者さんに対する膀胱水圧拡張術とハンナ病変手術(経尿道的)について
当院では間質性膀胱炎の患者さんの診断と治療を兼ねて入院で膀胱水圧拡張術やハンナ病変手術(経尿道的)を行っています。
1.間質性膀胱炎とは?
膀胱の慢性的な違和感や痛み、それに伴う頻尿や尿意切迫感があり、他の病気(膀胱がんや細菌性膀胱炎、膀胱結石など)の可能性が無いときに間質性膀胱炎の可能性が考えられます。尿が貯まったときや排尿時に尿道周囲が痛いという症状を訴える患者さんもいます。抗生物質や過活動膀胱の治療薬で症状が改善しないため「気のせい」とか「心因性」だとか診断されてしまう患者さんもいます。
2.どのような患者さんに実施しているのか?
間質性膀胱炎の可能性が高いと判断された患者さんに対して行っています。
間質性膀胱炎には専用の内服薬(特効薬)がありません。
また診断が難しい場合もあるので「間質性膀胱炎」の疑いがある患者さんで希望がある場合、診断と治療を兼ねて(※)手術を行っています。
※間質性膀胱炎の患者さんは外来で膀胱鏡を行ったときに、『ハンナ病変』と呼ばれる特徴的な膀胱内の発赤を認めます。ただし『ハンナ病変』が分かりにくい場合もあり、麻酔を行い膀胱内を生理食塩液で拡張しながら観察したときに『ハンナ病変』が分かることもあります。また明らかな『ハンナ病変』が見当たらなくても膀胱拡張で症状が改善することもあります。
3.当院での手術の流れ
外来膀胱鏡や諸検査で『間質性膀胱炎』が疑われた場合、患者さんと相談して手術(入院での膀胱水圧拡張術やハンナ病変手術(経尿道的))を行うか決めます。
入院期間は3泊4日で行っています。
木曜日が手術日なので、水曜日午前中に入院して頂き、木曜日手術、金曜日に尿道カテーテルを抜去し土曜日に退院というスケジュールです。
4.術後について
退院後2週間後頃に外来に来てもらっています。
退院後は通常の日常生活が行えますが、まれに手術2週間後頃、血尿や血の塊が出ることがあります。しかし通常は処置を行う必要は無く自然に止血します。