当院で行っている専門的な治療③

前立腺がんの疑いがある患者さんへの「前立腺生検」について

当院では住民健診を含め前立腺がん腫瘍マーカーPSA(ピー・エス・エー)が高値であるなどの理由で前立腺がんが疑われた患者さんへの生体検査(前立腺生検)を行っています。

1.前立腺生検の目的
前立腺がん腫瘍マーカーであるPSA(前立腺特異抗原)が基準値よりも高い場合や前立腺触診やエコーで前立腺がんが疑われた場合で精密検査が必要な患者さん対して前立腺がんの確定診断目的で実施しています。

2.どのような患者さんに実施しているのか?
当院ではPSAが基準値より高い患者さん全員に前立腺生検を実施しているわけではありません。
年齢、自覚症状、前立腺エコー検査、PSA値から前立腺がんの可能性があると判断した場合、最新の血液検査である「S2,3PSA%」を測定したり、PSAの経時的な数値の変化や前立腺のMRI検査(※)を行い総合的に判断し必要性が高い患者さんに対して前立腺生検を行っています。

※MRIについて:当院にはMRI撮影の装置がありませんが、歩いて5分以内にある近隣の医療機関(ぶどうの木クリニックさん)の装置を共同利用で撮影を行っています。

3.当院での検査の流れ
主治医が前立腺生検の適応(必要性)があると判断した場合、患者さんと相談し日程を決めます。
基本的に月曜日か金曜日に検査を実施しています。
検査は1泊入院で行っています。
午前中(9時頃)入院して頂き、準備を開始し当日の午後2時~3時頃から開始しています。
麻酔は仙骨麻酔と言われる骨盤周囲に効く麻酔で行っています。
当院では主に経直腸的前立腺針生検(原則12か所生検)を行っています。
生検を行っている時間は通常10分程度ですが前後の準備や処置などを合わせると60分弱の時間で終了します。
検査後は病室で休んでもらい発熱や血尿などの合併症が無いことを確認し、翌日の午前10時頃退院となっています。

4.結果説明について
退院後、7~14日後ころに外来で結果説明があります。
採取した前立腺の組織は外部の検査会社の病理診断医が行います。
前立腺がんを含め泌尿器科病理に詳しい病理医に診断を依頼しています。

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