准看護師資格試験解説③
遅れていますが3回目の授業内容からの出題です。
問題選定や解説も適宜バージョンアップしていきます。
佐賀市医師会立看護専門学校高等課程Aクラスの試験が近づいているので暫定版です。
またあとで追加修正します。
1)透析患者さんの食事について
①カリウムの過剰摂取は、致死的な不整脈が起こる危険があるため、制限する。
〇:とても大切なことです。
まず高カリウム血症(血液中のカリウムの濃度が高くなる)は臨床現場で遭遇する緊急事態の中でも、最も危険なものの一つであることを覚えておきましょう。なぜなら患者さんが死んでしまうようなおそろしい不整脈を誘発するからです。
つぎに腎臓の働きが落ちる(腎不全になる)と、体内のカリウムを尿中へ排泄することができなくなってきます。
だから透析患者さんがカリウムをたくさん摂取すると危険なのです。
②食塩摂取量の増加は、飲水量の増加につながるため、制限する。
〇:食塩(Na: ナトリウム)は水と一緒に動くことを覚えておきましょう。
エネルギー過剰は、予後不良要因の肥満をもたらすため、注意する。
×:透析患者さんの食事は「高エネルギー・低たんぱく食」であると今の時点では覚えておきましょう。
リンの過剰摂取は、血管壁の異所性石灰化などの合併症を引き起こすため、制限する。
〇:
2)慢性腎臓病の食事療法について
水分の制限が必要である。
×: 腎不全が悪化して浮腫や肺に水が溜まるような状態になった時は水分制限が必要になることがありますが、通常は水分は普通に摂取可能です。
ステージG3ではタンパク質の制限は行わない。
×: タンパク質は制限します。タンパク質を処理するのは腎臓。慢性腎臓病では腎臓が弱っているので負担を減らすためです。
食塩摂取量は3g/日以上6g/日未満を基本とする。
〇: 減塩が大切です。6g/日未満と覚えておきましょう。
成人の摂取エネルギー量は10~15Kcal/Kg/日が推奨される。
×: 「糖質と脂質で十分なエネルギー(35Kcal/kg)を摂取する」(教科書p106)と書いてあるので確認しておきましょう。
3)血液透析について
血液透析を導入する原疾患で最も多いのは、膠原病性腎症である。
×: 糖尿病性腎症ですね。
透析で水分を除去できるため、1日の水分摂取量は制限しない。
×:血液透析は通常、1週間に3回行っています。水分摂取量は制限しておく必要があります。
シャントの閉塞を防ぐため、シャント側の上肢で血圧測定を実施する。
×:シャントはとてもデリケートなものです。つまらせないようにシャントが無いほうの腕で血圧測定します。
透析終了後は、シャント部の止血を確認する。
〇:
血圧測定はシャント側で行う。
×:シャントが無いほうですね。
食事制限は必要ないと説明する。
×:
シャント音の聴取は1週間に1回行う。
×:毎日、患者さん自身が行います。
排便コントロールの必要性を説明する。
〇:
透析導入期は、不均衡症候群を観察する。
〇:
たんぱく質、カリウム、リンは、必要量を摂取するように指導する。
〇:
シャント音を聴取するよう指導する。
〇:これは大丈夫ですね。
水分制限はないと説明する。
×:
透析は週1回であると説明する。
×:基本的に週に3回です。
水分を多く摂取するように勧める。
×:水分制限を指導する必要があります。
血圧測定は毎日行うように指導する。
〇:
身体障害者手帳の申請について説明する。
〇:1級になります。
4)ネフローゼ症候群
治療には、副腎皮質ステロイド薬、免疫抑制剤が使用されるため、感染症に注意する。
〇:
毎日、同じ時刻に体重を測定する。
〇:
高タンパク食の必要性を説明する。
×:低たんぱく食です。
経過が長期にわたることが多いので、自己管理を継続して行えるよう支援する。
〇:
脂質異常をおこす。
〇:
新規透析導入の原因で最も多い。
×:
基本的な病態は尿細管障害である。
×:
1日の尿たんぱく質量は5g以上と定義されている。
×:
軽度のたんぱく尿と高たんぱく血症がみられる。
×:高度のたんぱく尿と低たんぱく血症です。
浮腫による苦痛を緩和し、皮膚を保護する。
〇:
皮膚、口腔及び外陰部の清潔を保ち、感染を予防する。
〇:
副腎皮質ステロイド薬による低血圧に注意する。
×:ステロイド薬の副作用は高血圧です。
尿量を観察する。
〇:大切ですね。
毎日の運動を勧める。
×:安静が必要です。
食事は高たんぱく食とする。
×:しつこいけど低たんぱく食。
塩分制限が必要である。
〇:
5)尿路結石
尿路結石のほとんどがナトリウム結石である。
×:シュウ酸カルシウム結石が最多です。
尿路結石では、自然排石を促せるよう1日2L~3Lの飲水を勧める。
〇:2L以上と言われています。(でも1日2L毎日水分を摂るのはけっこうきつい!)
側腹部から背部への疼痛の程度を観察する。
〇:腎臓は腰の位置にあり、尿管はそこから膀胱へ向かって存在します。だから側腹部から背部に痛みがでます。
顕微鏡的血尿はみられない。
×:石が動くと尿管などを傷つけるから顕微鏡的血尿~肉眼的血尿がでます。
結石の排出を促すために安静にする。
×:よく動くことが大切!
疝痛発作に対して鎮痛薬、鎮痙薬で対応する。
〇:その通り!
結石が尿管内に移行すると、側腹部に疝痛が起こる。
〇:
血尿はみられない。
×:
治療法には、体外衝撃波砕石術がある。
〇
1日に2L程度の飲水を促す。
〇:
疼痛発作時の対処方法を指導する。
〇:といっても痛み止めを使うことを指導するぐらいですかね。
結石の排泄促進のため、飲水を促す。
〇:
適度な運動を勧める。
〇:
再発の心配はないと説明する。
×:再発しやすいのが特徴です。
結石成分としては尿酸が多い。
×:シュウ酸カルシウム結石が最多です。